年の瀬2002.12.28。色ムラ倶楽部会員#2のcrossさんから、気合いの入ったメールをいただきました。色ムラは工場再調整で解消しているかに聞いていたのですが、まだ条件によっては気になるらしく、赤みの足りない半面に緑カットフィルターを施すことによって、望ましい効果が得られたそうです。貴重な情報。勿体無いのでcrossさんの許可を得て公開することになりました。
以下、私宛のメールをそのまま引用します。
早速ですけどescortさんに見て頂きたいものがありまして（デジカメ友人に借りてきました）こちらから投稿させて頂きました。
前回１２の色むらは実用上ほぼ問題無く解決したと思っていたのですけど、あの後しばらく何本かソフトを観ているうちに、まだ気になるシーンが何箇所か出てきまして、これでも最初の頃の色むらに比べれば断然改善されているはずなのに一度気になりだすとまた我慢できなくなり、なにか対策は無いものかと考え下記のような事を実践してみた所、想像以上の効果（自分的には）が確認できましたのでここでご報告させていただきます。
まず１０ＨＴ時代に緑成分対策用に使用していたカラーフィルター及びホルダーが残っていたので、そのままこれを使用しました。ただ手元にあったフィルターはCC R10しかなくこれでは色が濃すぎる事が判明、只ここでやってみて“これは行ける！”という感触が得られました（色味は問題なし）。
ヨドバシに行き濃さが1ランク下のCC R7.5を購入、画面投射しながら色むらでグリーンになっている部分（自分の場合はスクリーン向かって右側）と赤みがあるところをの境目を見つけ出しグリーン部分だけにフィルターがかかる様にフィルターカットして下の写真のようにフィルターケースに両面テープで貼り付けます。
ケースをホルダーに入れ１２ＨＴに取り付けると、下の写真のようになります。
早速投射して比較してみます。
フィルター未装着
フィルター装着。若干右側に色むらが残りますが中央部はほぼ無くなっています。
フィルター未装着右半分赤みが足りません。
フィルター装着。未装着に比べ左右バランスが取れていると思います。
１２ＨＴの外観は損なわれてしまうというデメリットがありますが色むらについてかなり効果があることが分かりました。これを装着して一週間、色々ソフトを観て検証してみましたが、とても良好です。例えば以前は人物が右から左に移動するシーンなど肌の色味が変わってしまい興醒めしてしまうという事がありましたが、いまは全然問題ありません、フィルターの境目が変になるのでは？という心配が最初ありましたけどピントが合っていないところなのでうまい事境目がぼやけてくれちょうど赤色むらに繋がってくれていて違和感も無いです。本日、友人にも来てもらい検証してもらったのですが「フィルター装着した方が全然いい」と言ってくれました。
ただ注意しておきたいのですけど色むらの出方（色むらの位置など。左右に出ていると厳しいかも）、濃さ（この場合フィルターの濃さを変える必要が出てくると思います）など場合によっては不可ということもありえると思いました。それとフィルターカット時、フィルターが赤い色むら部分にかかってしまっているとそこだけ赤がのってしまう状態になるので必ず緑部分の所だけにかかるようにして赤むらちょっと手前ぐらいでカットしておくのが良さそうです。
と以上こんな感じなのですが、どうでしょうか？色々長々と書いてしまいまして申し訳ありませんでした。
いかがでしょう？本来、3Dデジタルガンマという回路で液晶の色ムラを解消するものなのですが、12HTでは工場再調整を実施しても色ムラは残る場合がある。そのムラ傾向はcrossさんのような平置きで「右緑・左赤」（天吊りでは左右逆）とはっきりしている。そこで、このようにレンズ前半面に光学フィルターを適用することによって、色ムラを見事に解決されています。拍手〜！！
フィルターが効く緑カットの面積が個体の色ムラの出方にちょうど合致していること、フィルターの緑カットの程度も適当であること等の要素がいずれもうまくいって、絶妙なバランスがとれたんでしょうね。
本来3Dデジタルガンマの方が自由度が大きく、画面内の場所やRGBそれぞれの光の強度に応じた微調整ができるはずなのですが、製品の持つ調整機能よりもこのような一見原始的（ごめん！）なローテクの方が有効だなんて、皮肉ですね。
しかし、ユーザーにここまでやらせるとは、メーカーさんもカタナシですね。>> SONYさん？
半面フィルターが有効だなんて、この結果がそのまま製品の不完全さを物語っています。
製品が出荷され色ムラ問題が発覚してからもうすぐ半年。もっと根本的な解決策がメーカーから示されても良さそうなものですが、どうなっているのでしょう？ユーザーやディーラーさんからも問い合せやクレームは多いはずなのですが・・・
